光りもの

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2月22日付日経新聞朝刊に、名古屋大学のトランスフォーマティブ生命分子研究所が取り上げられていました。

「生命」という言葉が着いていますが、化学の研究が強みなのだそうです。

 

記事の中に、「ヨシムラクトン」という色素を使うことで、アフリカの穀物畑に深刻な被害を与える寄生植物ストライガの発芽の仕組みが突き止められた、との記述がありました。

 

光るもの、と聞いて、ノーベル賞受賞者の下村博士がオワンクラゲから抽出した緑色蛍光タンパク質(GFP)を思い出しました。

 

ヨシムラクトンとGFP、いったい何が違うの??

 

ちょろっとネットで調べたり、過去に理研の一般公開で見たことからの理解は次の通り。

  • GFPは一般には遺伝子に組み込んで使うタンパク質。この場合、DNA配列にGFP遺伝子を融合させて使う。生物の発生などの際に、ある物質が細胞内でどこに移動するかをトレースできる。
  • ヨシムラクトンについて、これは遺伝子に組み込むのではなさそう。

まずは、ストライガの発芽の仕組みから。

寄生植物ストライガの種子には、周囲の寄生先(ホスト)となる植物が根から分泌する「ストリゴラクトン」という物質の受容体がある。この受容体が「ストリゴラクトン」を検知すると、ストライガの種子は発芽する。

「ヨシムラクトン」は、この「ストリゴラクトン」と類似した部分をもつ分子。ストライガの種子に「ヨシムラクトン」を作用させると、ストライガの種子はこれを「お、ストリゴラクトンだな、ってことは、近くに植物が育ってるな。よっしゃ、すぐに発芽して、栄養吸収開始だ!」と発芽する。

東京化成工業のホームページでは「ストリゴラクトン受容体に作用する蛍光性アゴニスト”ヨシムラクトングリーン”」というページがありました。アゴニスト、アンタゴニストなど、検索したら薬学関係のページが出てきました。ちょっと深入りは遠慮。

あなたの名前は

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hydrogenosulfate って、手持ちの辞書にない…

「硫酸水素塩」hydrogen sulfate または hydrogensulfate のことだととらえて良さそうなのですが。

以前調べた、つなぎの「-o-」が入ってる感じかな?

 

つなぎの「-o-」は

  • 本来ギリシャ語合成語の連結辞であったが、今では広く科学用語その他に用いる(研究社大辞典)

ということでした。

 

hydrogen-o- となっているものを探してみたら、研究社『新英和大辞典 第6版』の hydrogenolysis の項には

〖⦅1931⦆ ՟ HYDROGEN+―O―+―LYSIS〗

という説明書きがありました。

 

さて、hydrogenの部分ですが、小学館『ランダムハウス英和大辞典(第2版)』によると、

  • hydro-の部分はギリシャ語 hỳdōr 水 から、
  • -genの部分は フランス語―gène、これはギリシャ語―genēs 「生まれた,産出された」からで、ラテン語 genus「親類(KIN)」と同じルート

とのこと。水素の名前はラボアジェがhydrogèneと名付けたとありました(ランダムハウスとウィキペディア)。

フランス人だからこれはフランス語ですね。最後にeがあるけど男性名詞です。

hydrogen自体はギリシャ語じゃなから、-o-はなくてもいいってことで、通常はhydrogensulfate なのでしょうか。

 

ウィキペディアのIUPAC命名法によると、

「塩の名称は塩を構成する陽イオンの名前をギリシア語数詞とともに置き、陰イオンをギリシア語数詞とともに置くことで得られる。日本語の場合は酸の場合は酸の名称の次に陽イオンの名前を置き、そうでない場合は(陰イオン名)化(陽イオン名)で命名できる。」

 

基本は hydrogen sulfate 、硫酸水素塩または水素化硫酸塩(あまり聞かないけど、重水素化硫酸塩というのはあるんですね)となるってことだと理解しました。
ただ、hydrogenosulfate でネット検索すると、いくつもヒットしますね。英語以外のサイトも多そう。とりあえずは、つなぎの -o- が使われたと理解しておくことにします。
命名法を追っかけてもしょうがないと思いつつ、調べついでに厚労省、経産省、環境省が出している新規化学物質の命名に関する書類が目についたので記録します。
塩、エステルの命名について。
 有機化合物 → 字訳、つまり英語のカタカナ表記
 無機化合物 → 翻訳
字訳、という言葉が使われるのは知りませんでした。

 

かわいいもの

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昨日の日経新聞夕刊に「電子工作 乙女心動かす」という記事がありました。

IC、センサー、LEDなどを使った電子工作をする女性が増えており、そんな女性をターゲットにした電子工作教室も開かれているとのこと。

用途はこどものおもちゃの他「他にない形がかわいいから」とパーツを並べてアクセサリーにしたりするそうです。

考えてみれば、工場ではんだ付け作業する女性は前からいますし、細かい作業は女性向きかもしれません。電子回路にも興味を持つ人が増えるといいですね。

 

かわいいといえば、今勉強している化学で、無限希釈におけるモル電気伝導率というのがでてきたのですが、この記号 Λ (ラムダ)、手書きでノートに書いてみたら、

 

「リボンをつけたラムダちゃん♪」

 

に見えて、ちょっとかわいいな、と思ってしまいました。

 

内容はごつくて苦労しておりますが(4冊くらいの本とネットとを行ったり来たりしながらみてます)、このラムダちゃんと仲良くなれるように頑張ろうと思います。

すぐに理解できる訳はないので、折れないよう諦めないよう、お楽しみを見つけながら、こつこつやっていきます。

その一文字が、と思いきや

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物質名には要注意ですね。αがついてるだけかと思ったら違った。

linoleic acid リノール酸

α-linolenic acid α-リノレン酸

これはリノール酸に二重結合が一つ加わったもの。
ω3脂肪酸の一種。
どうやって二重結合にするかというと
デサチュラーゼ(酵素の一種)により
水素を追い出すのだそう
(wikipediaより)

で、ヒトにはこのタイプのデサチュラーゼがないので
食物から摂取しなきゃならないとのこと。

γ-リノレン酸という異性体があるけど、
こっちはω6脂肪酸。
ふむふむ、このωっていうのは
二重結合の位置の違いなんですね。

食用油の成分としてラベルに書いてあったりしますが、あまり意識したことはありませんでした。

wikipediaの画像はどっちも芋虫みたいなので、掲載はやめときます…

参考書

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年末年始にも産業翻訳の仕事をいれた私でございます。前回のよりは調査対象がずっと狭いので、やりやすいです。化学物質の名前も少々登場しますので

「そうだ、化学、やろう」

という気持ちにも、ちょっとなりました。

(いえね、化学分野の特許翻訳者養成講座を受けてるはずなんですが、やっぱりそのバケガク用語に自分がなじめるのか、なんかウジウジしてしまうんですよねえ。)

さて、参考書。ちょっと前に非破壊検査のことを調べてたんですが、そのときに出会いたかったよ〜というのが

「まんがでわかる コンクリート」(オーム社)

です。

マンガ、と言ってもマンガオンリーではなく、「フォローアップ」という解説ページに参考文献の記載があり、巻末索引もあるし(残念ながら対訳ではありませんが)、いわば「羊の皮を被ったオオカミ」的な感じはあるかも。でも結構役にたつ本だと思います。

この「まんがでわかる」シリーズは工学に必要な様々な基礎知識をマンガでわかりやすく伝えてくれる本で、他にも「電磁気学」「流体力学」「電気数学」「フーリエ解析」とか、色々あります。今は「技術英語」なんてのもあるんですね。

対象は工業高校、高専、大学工学部などの学生、と書いてあります。物理・化学の基礎があらかた入ったくらいの段階で、専門書に行く前に読んでおくと、その後、どこに深入りしたらいいのかが掴みやすいのではないかと思います。

比較的手に取りやすい絵だと思いますが、アマゾンで「なか見!検索」で見られるので、自分に合うか、内容のレベルはどうか、確かめられてありがたいです。

で、コンクリート。コンクリート(セメント)の硬化は「乾く」んじゃなくて「化学変化」なので、ここにも化学が関わってるんですね。ほんとに、化学はどこにでも出てくるなあ。